今回紹介する、私の家族との夏休み海外旅行は、今から8年前の2009年9月の韓国旅行です。9月というと、夏休みでないと思われがちですが、ほとんどの大学は夏休みであり、夏休みと言ってかまわないと思います。当時、私は病気で妻を亡くし単身生活でしたので、同伴した家族は娘夫婦と娘の夫の妹とその子の計4人です。日程は5泊6日で、最初はソウルで3日間、続いて江原道(カンウォン道)束草(ソッチョ)市での2日間です。このように私達の韓国旅行の特徴は、ソウルの他に、日本人のあまり行かない江原道の束草市が入っていたことです。なぜ、私がこの計画をおすすめするのかは、韓国の地方都市には、それぞれ美しい自然、おいしい食べ物、歴史ある見所があるからです。ソウル、釜山、慶州といった大都市や観光地では、観光客ずれしていて、なかなか韓国の良さが味わえないからです。
夏休みに家族で行く韓国への海外旅行のおすすめ計画
私がこの韓国への海外旅行計画をおすすめするのは、韓国が日本と地理的に近いこと、それに伴って航空運賃が安いことなどがあります。しかし、この計画にはソウルの他に江原道束草市を中心とした観光が入っています。ソウルなどは若い人でも年配者でも簡単にいけますが、韓国の地方都市となると、なかなか行く機会がないものです。私の印象では、大都会はどこの国でも同じで、あまりその国の個性が感じられないものですが、韓国の地方都市には、朝鮮民族の伝統や歴史を感じさせるものや場所があり、人情もすれていないので、本当の韓国の姿に触れることが出来ると思います。
日本と韓国の間にはいろいろな歴史認識問題があり、政治的に対立することが多いのですが、今世紀に入ってからの相互の文化交流が進み、国民同志の関係は友好的なものに変化しつうあるのが現状のようです。それでも、日本人にとって、韓国のイメージは現地に行かない限り掴むことは難しいのではないでしょうか。他国を本当に知るということは、やはり、生の人間同志が触れ合うことによってしか得られないのではないでしょうか。私が経験し、今回おすすめする韓国家族旅行は、そういう意味で本当の韓国を知る要素がたくさん含まれています。
また、家族で海外旅行を計画するとなると、時期はやはり夏休みということになります。私達の場合は最年少は中学生でしたが、この年の9月は中学校もシルバーウイークの5連休となったことは幸いでした。海外旅行は日程、費用の計画が大変かも知れませんが、私達の場合、飛行機代とホテル代だけで一人約10万円程でした。国内旅行より、少しお金と時間がかかったという感じでした。
日本で得られる韓国のイメージはどんなものでしょう。恐らく韓国のドラマ、映画、音楽からのものが多いと思われます。しかし、そんなイメージを持って韓国に行ったら、あまりの落差に驚くことでしょう。1965年以降の急激な経済成長によって、巨大に膨らんだ大都市は非人間的なものになりがちなものです。逆に地方都市は開発途上にあり、まだ、人間臭さが残っています。これが、私が韓国旅行に地方都市を加えることを勧める理由です。
家族で行った韓国旅行での体験
忘れてしまったことも多い、8年前の韓国旅行ですが、記憶をたよりに紹介したいと思います。最初の日は、成田空港から仁川空港までの移動日でした。実は、この日に私はとんでもないハプニングに会ったのです。それは危うく飛行機に乗り損ねるという経験をしたのです。空港で出発まで時間があったので、それまで、各自自由行動とし、出発時刻前に搭乗入口で待ち合わせすることにしたのでした。しかし、その時刻に入口で待っていても、いっこうに誰も来ないのです。実は、娘達は、私が先に入口を通過し既に搭乗したとお思い、先に行ってしまったのでした。出発時刻が近くなり、スピーカーから私の航空券番号が呼ばれ、早く来るようにという 案内が流れました。私はあわてて入口から搭乗口に向かって走りました。そして私を探していた乗務員さんと出会い、何とか飛行機に乗ることが出来ました。出発後の機内では、さすがの私も娘達と口をききませんでした。夕方仁川空港に着きバスで明洞近くのホテルに向かいました。その夜は明洞での散歩やショッピングを愉みました。
翌日は、景福宮、63ビルなど見学しているうちにお昼になり、参鶏湯を食べようということになり、タクシーの運転手に紹介された江南(カンナン)の専門店で参鶏湯を味わいました。その後、娘達のリクエストで、当時はやっていた「ジャンプ」の無言劇を観覧しました。娘達は楽しんでいましたが、私は興味がなく、ただ眺めているだけでした。
翌日は、私のリクエストで、東大門・光煕洞のモンゴル料理を食べに行きました。ところが、その店がなかなか見つからず、やむなく通りすがりの若い韓国人に聞いたところ彼も分からず、しかたなく、それらしき店があったので入いってみると、確かにモンゴル料理の店でしたが、若い女性が客と同席して接待しているような店で、どうもイメージとは違う店のようでした。それでも一応羊肉を中心としたモンゴル料理を味わうことが出来ました。
家族で行く海外旅行で学んだことは?
ソウルで3泊した後、江原道束草市へ高速路線バスで行きました。ここでの韓国は全てわたしのリクエストのよるものです。束草観光の目的は三つありました。それらは、雪岳山(ソラク山)に登こと、束草で刺身を食べること、髙城(コソン)の38度線に行き軍事境界線から北朝鮮を望むことでした。この束草では事前にガイドを予約しておきました。初めての韓国の地方都市でありその方が便利だろうと思ったからです。このことが、後の2番目のトラブルの際、大きな助けになりました。
束草で利用したホテルは、雪岳山麓にある「ホテル雪岳パーク」という、三角屋根が特徴のホテルです。値段も設備も手頃で山の空気を感じさせるホテルでした。束草に着いた翌日の朝、ホテルの玄関に出るとガイドさんが二人待っていました。一人は韓国人と結婚した日本語を教えている日本人女性、もう一人は彼女の元生徒の韓国人女性です。ガイド料は一人10万ウォンでしたが、二人の車が私達の足になったことを考えると決して高くないガイド料だったと思います。
雪岳山は、済州島の漢拏山(ハルラ山)、小白山脈の智異山(チリ山)に次ぐ、韓国第三の高峰です。私達は雪岳山の麓からロープウエイに乗り、ごつごつした岩のある中腹まで登りました。天気が良かったので、そこから眺めた束草市内とその先にある東海(トンゲ、日本海)が光って見え、壮麗な景色でした。雪岳山では、娘の体調が悪くなるという2番目のトラブルに見舞われましたが、幸い、韓国人のガイドさんが、自宅で娘を休ませてくれたので、ほどなく娘は回復し戻ってきました。もしガイドを雇っていなかったら、言葉も地理も分からない束草で大変な目に逢っていた事でしょう。
このことから、不慣れな場所へ行く場合は事前の準備が大切であること、そしてできればその土地に詳しいガイドの手配や経験者の同行が重要であることを学びました。
その後、私達は束草市北にある髙の統一展望台を訪れ、38度線にある鉄条造りのバリゲートの先に北朝鮮の海岸を望みました。行く途中では、韓国軍の検問に会い、ここは本当に南北の軍事境界線であることを実感させられました。
私は、車の中で日本語の達者な韓国人ガイドさんといろいろな話をしました。ガイドとして初めて貰ったお金で癌で入院中の父親にプレゼントしたこと、スマップの木村拓哉のファンであること、等々です。
こうして現地の人とのふれあいからそのやさしさや気さくさに触れ、これまで抱いていた韓国人のイメージがかなりよい方向に変わりました。現地で体験したり自身の目で見たりすることが、その国を一番知るのに大事であることを改めて学んだような気がします。
まとめ
以上をまとめると、初めての家族海外旅行として、アクセスの都合で大都市に行かざるを得ないのですが、その旅行計画に日本人があまり行かない地方都市を入れてみては如何でしょうか。このことは、最近日本を訪れる外国人も特徴のある日本の地方都市を目的に来るケースが増えているのと同じ考えによるものです。
家族の海外旅行は国内旅行と違って、慣れていない点や、事前に知る情報が少ない為に、思わぬトラブルが起きるものです。地方都市では現地のガイドを利用するのが無難だと思います。江腹道は束草の他、冬のソナタで有名は春川市(チュンチョン)市、海のきれいな東海(トンゲ)市などがあります。夏休みを利用して、ぜひ韓国の地方としで、韓国の心に触れてください。
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